大人も子供も夢中になる美味しさ
クリスマスを祝うパネットーネ

おうちで伝統的なイタリアのクリスマスを！

卵黄とバターをふんだんに練り込んだ生地に、ドライフルーツをたっぷり加えたミラノ発祥のパネットーネ。うっとりするリッチな香りと上品な甘さが魅力の、イタリアのクリスマスでは定番の焼き菓子。
イタリアでは昔からクリスマス4週間前の待降節と呼ばれる期間にこれを焼く習慣があり、元々は友人や親戚に配るためにそれぞれの家庭でイタリアのマンマが手作りしてきた伝統的なケーキ。

たった二人の職人が作り上げる究極の味

自分が丁寧に作られたものが好きだから」
「パネットーネは僕の子供なんです」

師匠から受け継いだ100年以上生き続けた天然酵母パネットーネ菌を大切に育てながら、朝早くから長時間工房に立つファビオ氏とリカルド氏はそう語る。

北イタリアの気候や風土でなければ育てることが難しい非常に特別なパネットーネ菌。安価に楽にできることからビール酵母を使う生産者もいる中で、これで作るためにはパネットーネ作りに入る前に、3時間ずつ生地作りを3回行い、9時間は発酵させなくてはならない。
香り良くふんわり優しい生地は、愛情をかけて丁寧に作られた証。

80時間かけて無添加にこだわった安心のお菓子作り

朝に行う天然酵母の仕込みでは、前日の酵母から硬くなった外側の皮を外し、CUORE（クオーレ＝心臓）と呼ばれる部分を取り出し、粉と30分ほどよくこね、フレッシュパスタのように少しずつ伸ばし生地を作り、この間に毎日1500個の卵を割って卵黄を分ける作業をしている。
また、その合間にはバニラから種を取り出したり、1ヶ月漬け込んだオレンジピールを煮詰める作業を終え、生地が完成すると、今度はドライフルーツと混ぜ合わせ、じっくりと焼き上げ、冷ます。二人の職人がひたすら丁寧に地道な作業と膨大な時間を費やして作っているバギーズのパネットーネ。

新鮮な卵
工房近くにある養鶏場の産みたての卵。鶏は十分なスペースを確保した鶏舎の中で自由に飼育。餌はすぐ横の畑で採れる穀物のみで飼育。鶏がリラックスするよう24時間音楽をかけ、徹底した清掃のため鶏舎には鶏特有の匂いもなく、清潔に保たれている。
そんな大切な卵を使用する際には、ひとつずつ丁寧に割り、卵黄だけを取り出す。 バーギズでは天然酵母を仕込んでいる間に一人で1時間半、毎日1500個の卵を割っている。1kgのパネットーネには黄身8個分、500gのパネットーネには黄身4個分が使われている。

豊かな土壌が育む小麦
100%イタリア産の小麦を、栄養成分が高い麦芽と一緒に石挽したものを使用。セミインテグラーレと言われる、お米に例えると５分玄米のような粉で、栄養価があり重く膨らみにくいため、高度なノウハウと義技術が必要となる。そのため、セミインテグラーレの粉を使用する菓子職人はほとんどいないと言われている。

ベルギー産バター
バーギズが選んだバターはベルギー製のもの。イタリアのバターは、チーズを作った後の牛乳から作られるため、風味が弱くなり色も白っぽくなる。
バーギズでは、求める風味を表現するため、遠心分離機で作られた厳選したベルギー産の風味豊かなバターを選んでいる。このバターは、コンテストで受賞するほど高品質で風味の豊かなもの。

亜硫酸塩不使用の干しブドウ
白ぶどうで、香り、味ともに最上のオーストラリアの最高品質「Six Crowns」ランクの干しぶどうを使用。 保存のためにレーズンによく使われる亜硫酸塩は使っていない。パネットーネに使用する前に干しブドウを水につけ、 コーティングに使用したひまわり油を繰り返し洗い、レーズン本来の上品な明るい色に戻している。

自家製のオレンジピール
バーギズが使うすべてのオレンジピールは、一か月以上かけて作る自家製。
シチリア、または、カラブリアの農薬不使用のオレンジを季節によって選び、新鮮な皮使用して仕込む。 水50%、砂糖50％を溶いた水に1ヶ月ほどじっくり漬けたあと煮上げる。 仕上がったオレンジピールは手で大きめにカットしている。大きめのオレンジピールは、パネットーネに重要なエッセンス。

開封後10日は食べられる日持ちが嬉しい！

日持ちをするのはイタリアの北部・コモ地方で100年以上も受け継がれる天然酵母「パネットーネ種」のおかげ。酵母と乳酸菌が共存する世界でも珍しい天然酵母で、パネトーネ種は1gにつき、なんと1億個以上の乳酸菌が生息している。またそのはたらきによって独特の風味が生まれて口当たりも良くなる。
ほかの酵母に比べると長時間熟成・発酵させる必要があるため、パネトーネ種を使うと水分含有量が少ない生地になり、微生物が活動しにくいためカビは発生しにくく、保存添加物を加えなくても長期保存ができる。

おすすめの楽しみ方

イタリアでは10日ぐらいかけて少しずつ食べるパネットーネ。保存のためにホールケーキから一切れを切り出す要領でカットしてください。 食べるときはフォークを使わずに手で、縦に裂くようにすると気泡を潰さず、独特の食感を楽しめます。クリームやアイスを添えてデザートとしても楽しめますが、パンのように蒸したりトーストして朝食がわりに食べるのもオススメ。しっとりとした食感が軽くふわふわになり、天然酵母とバターの良い香りがさらに広がります。

また紅茶やコーヒーと合わせても、フランチャコルタなどのスパークリングワインと合わせても抜群の美味しさです。

イタリアの定番の食べ方は、マスカルポーネソースにを添えること。濃密でなめらかなソースと、チーズの塩気がいいアクセントに。

マスカルポーネソースの作り方

1.卵白2個分を角が立つまで泡立てます。

2.卵黄2個、砂糖45gをよく混ぜ、マスカルポーネチーズ250gを加え、均一になるようによく混ぜます。

3.2に1を少しずつ加え、切るようにさっくりと混ぜ合わせて出来上がり。

保存方法

冷蔵庫には入れず、乾燥に気をつけながら（断面が乾きやすいため袋に入れて保管することをおすすめします）直射日光を避け、常温、暗所にて保管をお願いいたします。蒸したり、軽く焼いても美味しく召し上がっていただけます。 時間とともにまろやかに熟成し、風味が増します。少しずつカットしてお召し上がりいただき、味の変化をお楽しみください。